私は雑兵

社内ニートが何者かになりたいブログ

【仕事】意識高い人が総務部長になったらオフィスの外観だけ変わった話

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個人的に"意識高い系"の人は見ていて楽しいと思う。


"意識高い"のではない。あくまで"意識高い系"なのである。

 

彼らはその実を見ていない。

必要なのは意識高く見えることであり、今の言葉で置き換えるなら「意識高見え♡」である。

 

私の周囲には何故かこの"意識高い系"の人が多いのだが、今日は総務部長が"意識高い系"になった話をする。

 

あ、間違えた。

 

意識高見え♡ インスタ映えオフィス

 

【目次】

 

総務部長が変わりました

とある春。わが社の人事が発表された。


その春はとりわけ人事異動が激しかった。

元々、部や課がくっついたり離れたり名前が変更になったりと忙しい会社ではあったが、その春はとにかく忙しかった。

 

結果、総務部長が新しい人になったのだ。

 

その人はもともと、開発の最前線にいた人だった。

 

男性で、見た目は細くダンディというのが正しい。

バイクが趣味でバイク部なる謎の集団の長でもあった。

 

そんな新総務部長には秘密があった。


そう"意識高い系"だったのである。

 

オフィス改革1 休憩スペースの設置

さて、彼は総務部長になった途端、働き方改善を始めた。


そして、まずは休憩スペースを作るために喫煙ルームを廃止した。

 

Q:喫煙者はどこで喫煙するんですかね?

A:外で吸ってください!

 

と、喫煙者に怒られそうな施策をぶっ放した。

 

しかし、総務部長からすれば

 

「禁煙ブームの昨今、喫煙ルームがあるのはおしゃれではない!」

 

らしい。

気にも留めていないようだ。

 

ところで、エンジニアをされている方ならわかると思うが、意外にもこの職種は喫煙者が多い。

 

そして、この会社も例にもれず喫煙者だらけである。

 

そして溢れ出す、わが社の喫煙者。

 

喫煙ブースは雨風吹きさらしのようで、喫煙者の先輩たちは雨の中、新設された休憩スペースを横目に外へと出て行った。

事務所がビルの上階にあったため、彼らは喫煙をするためにエレベータを使って下まで降り、終わったらエレベータで上がってくる。


往復時間はなんと10分程度

それを1日に何度も繰りかえすことになってしまったのだ。

 

さて、そんな喫煙者を追い出して出来上がった休憩スペースだが、無事だれも使わない無の空間になっていた。


何故か。

その会社の社員たちに休憩する余裕などないからである。


なので、休憩スペースを十分にしたところで無意味であり、社員たちは休む間もなく働き続けているのだ。

 

まずやるべきは休憩スペースの確保ではなく、休憩時間の確保である。


このあたり、なんとも"意識高い系"の改革だと言えよう。

 

オフィス改革2 書庫の設置

さて、そうして生み出された無の空間にも総務部長は着々と手を加えていく。

(暇だったのだろうか)

 

彼は、休憩スペースに余っていたの本棚を設置すると自分が読み終わった本を置き始めたのだ。


内容としては自己啓発本が多く『いかにしてエリートになるか』みたいな本が軒を連ねた。


そして総務部長は若い社員を捕まえては

 

「あそこにある本、好きに呼んでいいから。あ、持って帰ってもいいよ?」

 

と言い続けた。

 

しかし、みなさんは覚えているだろうか。

そう、この休憩スペースは使われていないのである。

つまり、この本を読む余裕など、この会社にはないのだ。


本は常にそこにあった。

だれも読んでいないようである。

 

その様子を見て

 

「レパートリーが少ないからかな?」

 

と思った各部の部長たちが本を追加しはじめる。

 

が、そうじゃない!

 

レパートリーの問題ではない。

時間なのだ。

社員には本を読む余裕も、休憩する時間もないのだ。

 

すべきはスペースの充実ではなく、時間を生み出すことなのだ。

 

ちなみに、その本棚に誰かが『蟹工船』を置いたのだけは、私も評価している

 

 

オフィス改革3 制服の廃止

当時、女性社員には制服があった。

所謂OLが着用しているあれであるが、これを旧時代の遺物と総務部長は思ったのだろう。

これを一斉廃止した。

 

確かに、エンジニアの世界で女性はオフィスカジュアルが一般的である。

しかし、制服があるからこそ自由な服装で出社していた女性社員はこれに不満を持った。

 

「というか、オフィスカジュアルって何よ?」

 

もっともである。


総務部の女性社員が出したオフィスカジュアル案に総務部長はすべてダメ出しした。

 

「長いスカートはふさわしくないけど、短いのもダメ。あと、腕とか出過ぎもよくないし……色も派手なのはちょっとね」

 

はて、私たちに何を着ろというのだろうか。


当時、私は休職手前で総務部の女性社員と話をすることが多かったので

 

「だから!女性だけオフィスカジュアルって、ならお金を出してよ!」

 

とプンスカしている彼女のことはよく記憶している。

 

オフィス改革4 コーヒーメーカーの設置

そんな的外れな改革を進めていた総務部長だが1つだけ指示される改革を行ったとすれば、それはコーヒーメーカーの設置であろう。

 

ポーションを機械にセットすると自動でコーヒーが出てくる仕組みで、1杯200円。ちなみに給与天引きだ。

 

意外にこれは好評で、利用する人も多かった。

今まで、粉末をお湯で溶かして飲んでいた人も「これはおいしい」とそちらへ切り替えることになったり、良い方向で使用され始める。

 

まあ、コーヒーを眠気覚ましに飲まなければやっていけない職場だったので人気が出たのだろう

 

その裏付けに、コーヒーメーカーを利用した人は休憩スペースを利用することなく、そのまま自席に戻っていった。

 

その後の話

如何だっただろうか。


"意識高い系"とはよく言ったもので、実のない改革が数多だったと思う。

 

その後、私は退職をしてしまいこのオフィスで働くことはなくなった。

 

しかし、先日、当時の同期と話す機会がありオフィスについて聞いてみるとフリーアドレスは失敗したけど、受付が美化された」と話していた。

 

どうやら、彼の改革はまだ始まったばかりのようだ。